Secret Scenario26『もし、破天の槍がすり抜けていたら』
ウェンティ「ブエル、この前アンジュが引いたガチャで、モナがお仕置きされてたじゃない?(Secret Scenario17『アンジュ、召使を引こうとしてモナがすり抜ける』)
ナヒーダ「ええ、そうね」
ウェンティ「もしあの時、召使のモチーフ武器まですり抜けて、モラクスの槍である破天の槍が来てたら、どうなってたのか、世界樹にそんな分岐の世界、乗ってない?」
ナヒーダ「あるわよ。
そもそも、武器ガチャはすり抜け無しで引ける確率は37.5%だから(恒常武器と同時PU武器があるため)アンジュは武器をすり抜け無しで押さえたのは、運がいい方なんだけどね」
ウェンティ「モラクスのじいさんがアンジュに何をされるのか、ちょっと見てみたくて!見せてくれない?」
ナヒーダ「いいわよ」
もしもの世界と繋がったウェンティ
アンジュ「さあ、鍾離。
食べてもらうわよ、この海鮮丼を」
胡桃「おお!新鮮でおいしそう!私も食べたいなぁ」
ヴィヴィアン「後で香菱に作って貰ったら?」
鍾離「何故……俺が……そもそも、破天の槍は俺の責任じゃないだろうに……」
甘雨「帝君、アンジュさんは意地悪で言ってるわけではありません。
この映像をご覧ください」
防犯カメラには、万民堂で食事をする親子の会話が映っていた。
母親「こら、ちゃんと野菜も食べなさい。大きくなれないわよ」
幼い娘「野菜、美味しくないんだもん……」
母親「岩王帝君から怒られるわよ?」
幼い娘「帝君だって、嫌いなものあるに決まってるよ!」
母親「(そう言えば岩王帝君は海鮮類が苦手だと書物で見たことがある……
この子が知ってるはず無いんだけど、嘘をつくのも良くないし……)
もし嫌いなものがあっても、帝君は作ってくれた人に感謝していただくわ。
帝君なら間違いなくそうする。
あなたも岩王帝君を見習って、野菜も食べて、大きくなりましょう」
幼い娘「うぅ……」
映像を見た鍾離は冷や汗をかいていた。
ヴィヴィアン「あたしの技術で、璃月全土に生配信してるから。
これ。きっとその親子も見てるよ」
アンジュ「神ともあろう者が民の目の前で好き嫌いとは、示しがつかないわね。
私は皇女時代、好き嫌いなく食べていたわよ」
鍾離「ヴィヴィアン、配信してるのだな。
なら、丁度いい。岩王帝君が海鮮類を食べない理由を伝えよう。
その昔、岩王帝君は海の魔神と戦った。
その時の魔神はとても強く、しぶとく、何度倒しても再生して向かって来た……」
ヴィヴィアン「その話、長い?」
胡桃「長いね。
私聞いたけど、12時間くらい延々と話してたもん」
アンジュ「常温で海鮮丼12時間置いたら、食えない程じゃないけど鮮度が落ちるわよ。
味を落としてしまうのは、作ってくれた人に悪いんじゃない?」
胡桃「正論!」
甘雨「さ、帝君。そのお話は食後にごゆっくり」
鍾離は助けてくれと言わんばかりの瞳で魈を見た。
魈「ああ、帝君……おいたわしや……
この降魔大聖、涙を呑んで、断腸の思いで見届けましょう。
きっと、あの幼子も、帝君の勇姿を見届けて、野菜を摂取してくださるでしょう」
魈にまでそう言われた鍾離は、覚悟を決めて食べることにした。
ヴィヴィアン「鍾離先生、ワサビ平気?
平気なら、ワサビつければ生臭さはある程度中和出来るよ。
後、刺身醤油も付けた方が良いね」
鍾離「ワサビは大丈夫だ……ぐっ……」
絶望の表情で海鮮丼を口に運ぶ鍾離。
鍾離「コメの味とワサビの風味が救いだな……」
甘雨「私達も頂きましょう。
刻晴さんにも、お土産持って帰りたいですし」
胡桃「賛成!」
戻ったウェンティ
ウェンティ「あはははははははは!!
あの、じいさんの絶望しきった表情!面白すぎる!」
ナヒーダ「最後に言ってたけど、海鮮丼なだけまだマシよ。
刺身三昧とかだったら、もう地獄だわ」
鍾離「ほう……バルバトス、楽しそうだな」
ウェンティ「げっ……どこから見てたの?」
鍾離「アンジュが『さあ、鍾離。食べてもらうわよ、この海鮮丼を』と言ったところからな……」
ウェンティ「あっ!僕、ライアーを直してもらってたんだった!それじゃ、またね!」
鍾離「待たんか、バルバトス!」
ナヒーダ「お約束、って奴ね」